飲食店のInstagram運用、成果が分からなくなる本当の理由|KPI設計の考え方

インスタグラムの運用レポートを眺めながら、「数字は悪くないはずなのに、結局これって成果出てるんだっけ?」と思ったことはありませんか? フォロワーは少しずつ増えているし、いいねもリールの再生数もそれなり。でも、肝心の来店や売上とのつながりが、どうにもピンとこない。ありますよね。わかります。それ、かなり多いです。
飲食店のSNS運用って、「ちゃんとやっている感」は出しやすいのに、「成果を説明する」のがやたら難しい分野です。数字は並んでいるのに、何をもって成功と言えばいいのか分からない。SNSの話になると、急に空気がふわっとする。このモヤっと感、実は珍しくありません。
この記事では、インスタグラム運用で成果が分からなくなってしまう理由と、飲食店にとって無理のないKPIの考え方を、できるだけ噛み砕いて整理していきます。
もし今、「SNSは大事なのは分かるけど、正直よく分からない」「頑張っているのに説明できない」という感覚が少しでもあるなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは行ってみましょう!
飲食店のInstagram運用で成果が分からなくなる理由

飲食店のインスタグラム運用で成果が分からなくなる一番の理由は、「数字は見えているのに、意味が整理されていない」ことにあります。フォロワー数、いいね数、再生数、保存数……管理画面を開けば、数字自体はいくらでも出てきますよね。でも、それらが「来店」や「売上」とどうつながっているのかを、きちんと説明できる人は意外と少ないです。
たとえば、今月フォロワーが100人増えました。リールは5万回再生されました。いいねも普段より多めです。ここまで聞くと、なんとなく「調子よさそう」に見えます。ただ、そこで一度考えてみてください。その数字が増えたことで、何が起きたのかを言葉にできますか? 来店が増えたのか、店名検索が増えたのか、それとも単に動画が流れていっただけなのか。ここが曖昧なままだと、成果の判断ができなくなります。
飲食店のSNSは、広告のように「クリック=即購入」にはなりません。多くの場合、インスタは「知る」「思い出す」「なんとなく良さそうと思う」ための場所です。つまり、成果がワンクッション先にあるんですね。この構造を理解しないまま数字だけを追うと、「伸びているのか、いないのか分からない」という状態に陥ります。
さらにややこしいのが、SNSの数字は部分的には正解でも、全体ではズレていることが多い点です。再生数は伸びているけど、プロフィールは見られていない。いいねは多いけど、店舗情報は確認されていない。こうしたズレを整理せずに「数字が良い・悪い」で判断してしまうと、運用の方向性がどんどんブレていきます。
結果として、「毎月ちゃんと投稿している」「数字もそれなりに出ている」「でも成果はよく分からない」という状態が続きます。これが、飲食店のInstagram運用で成果が分からなくなる典型パターンです。問題は頑張りが足りないことではなく、数字の見方と役割が整理されていないことにあります。
飲食店SNSでフォロワー数やいいね数をKPIにするとズレる理由

少しだけ厳しいことを言いますが、フォロワー数やいいね数をKPIにしている限り、飲食店のSNS運用は噛み合いません。 これは好みの話でも、理論武装でもなく、かなり現場寄りの話です。
フォロワーが増えると、なんとなく安心しますよね。「ちゃんと伸びてる」「間違ってない気がする」。その感覚、めちゃくちゃ分かります。ただ、その数字が増えた理由を冷静に見てみると、「来店につながったから」ではないケースがほとんどです。たまたまリールが回った、映像が目に止まった、音源が流行っていた。SNS的には正解ですが、飲食店的には別の話です。
いいね数も同じです。いいねは「悪くない」「美味しそう」「流れてきたから押した」という、かなり軽い行動です。もちろん、全否定する必要はありません。ただ、それをKPIにしてしまうと、「押されやすい投稿=正解」という思考になりがちです。そうすると、店の魅力や使われ方よりも、見た目や一瞬のインパクトが優先されていきます。これ、やりがちです。
問題はここからで、フォロワー数やいいね数が伸びていると、「成果が出ている気がする」状態が長く続いてしまうことです。数字は動いているので、改善しているように見える。でも、来店数や売上を聞かれた瞬間に、言葉に詰まる。このギャップが、SNS運用をどんどん苦しくします。
飲食店のSNSは、インフルエンサーアカウントでも、メディアアカウントでもありません。お店のSNSです。目的は「見られること」ではなく、「選ばれること」。この前提に立つと、フォロワー数やいいね数は成果ではなく途中経過だと分かります。ここを履き違えると、頑張っているのに評価されない運用になりがちです。
少し否定的に聞こえたかもしれませんが、安心してください。フォロワーやいいねを無視しろ、という話ではありません。ただ、それをKPIに置かない。この一線を引くだけで、SNSの見え方はかなり変わります。
なぜ飲食店のSNS運用は「頑張っているのに評価されにくい」のか

飲食店のSNS運用が評価されにくい理由は、シンプルに言うと「成果が直接数字に出にくい構造」だからです。これ、やっている側ほど苦しくなります。毎月投稿して、写真も動画も工夫して、数字も一応伸びている。でも、「で、売上はいくら増えたの?」と聞かれると、急に説明が難しくなる。これが現場で一番よく見るパターンです。
そもそもインスタグラムは、予約ボタンを押させるための媒体ではありません。多くの場合、「知る」「思い出す」「なんとなく良さそうと感じる」場所です。今日見て、今日来る人もいますが、大半は数日後、数週間後、もしくは「そういえばあの店…」というタイミングで選ばれます。つまり、成果が遅れて、しかも分散して出るんですね。
ここを無視して「SNS=即効性のある集客ツール」として扱うと、評価が一気にズレます。投稿した月に来店が増えなければ失敗、数字が伸びなければ意味がない、そんな判断になりがちです。でも実際には、その投稿を見て店名検索をした人、地図で場所を確認した人、家族や友人との会話に出した人が、少しずつ溜まっていきます。これ、レポートにはほぼ出ません。
さらに厄介なのが、SNSの成果は他の導線に吸収されることです。インスタを見て、Googleマップで検索して、食べログから予約する。ウォークインで入る。こうなると、表面上は「SNSの成果」に見えません。でも、きっかけはSNSだった、というケースはかなり多いです。ここを切り分けられないまま評価すると、「SNSって結局よく分からないよね」という結論になってしまいます。
だからこそ、飲食店のSNS運用は「頑張っているのに評価されにくい」構造をしています。問題は運用者の努力不足ではなく、評価の物差しが合っていないことです。このズレを放置したまま続けると、SNSは疲れる仕事になってしまいます。
飲食店SNSにおける正しいKPI設計の考え方

ここまで読んで、「じゃあ結局、何を見ればいいの?」と思っている方も多いはず。
安心してください。答えは意外とシンプルです。飲食店のSNSでは、売上を直接追いかけないほうが、結果的にうまくいきます。これ、最初はちょっと違和感ありますよね。でも現場では、この考え方のほうが圧倒的に説明しやすく、続けやすいです。
ポイントは、KPIを「成果」ではなく行動の変化として捉えることです。インスタを見て、どんな行動が起きたのか。ここだけを冷静に追います。来店したかどうかは、その先の話です。まずは、見た人が一歩でも動いたかどうか。これを積み重ねる設計にします。
たとえば、投稿が見られているかどうか。プロフィールを開いて、店の情報を確認しているかどうか。場所や店舗一覧を見に行っているかどうか。このあたりは、インスタの管理画面でちゃんと確認できます。ここまで来ていれば、「何も起きていないSNS」ではありません。少なくとも、来店に向かう途中の行動は発生しています。
逆に言うと、「売上が増えたか」「予約が何件入ったか」だけをKPIにしてしまうと、判断が一気に雑になります。増えた理由がSNSなのか、天気なのか、キャンペーンなのか分からなくなるからです。SNSはあくまで“きっかけ”を作る役割。その役割に合った数字を見ないと、評価も改善もできません。
正しいKPI設計は、SNSを甘やかすためのものではありません。むしろ逆で、ちゃんと評価するための設計です。何ができていて、何が足りていないのかを分けて考える。そのために、行動ベースのKPIを置く。この考え方に切り替えるだけで、SNS運用はかなり健全になります。
Instagram運用で見るべき指標と考え方の整理
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飲食店のSNS運用で見るべき指標は、実はそんなに多くありません。むしろ、追いすぎるから分からなくなります。最低限押さえたいのは、「見られたか」「興味を持たれたか」「来店に近づいたか」。この3段階です。
まずは、投稿がどれくらい見られているか。いわゆるインプレッションやリーチです。ここは「認知の母数」なので、少なすぎると何も始まりません。数字が出ていない場合、内容以前に露出の問題です。この段階で一喜一憂する必要はありませんが、ゼロに近いなら改善ポイントは明確です。
次に、プロフィールへのアクセスです。これは「ちょっと気になったから確認してみた」という行動です。美味しそうだった、雰囲気が良さそうだった、使い勝手が気になった。この時点で、見る側はすでに一段階進んでいます。ここが弱い場合、投稿とお店のイメージがつながっていないことが多いです。
最後が、WEBタップや地図への遷移です。ここまで来ていれば、少なくとも「行く可能性がある店」には入っています。今日来るかどうかは別として、選択肢の一つになっている状態です。この数字が出ているかどうかで、SNSが来店に近づいているかを判断できます。
この3つを並べて見ると、「数字が伸びていない理由」も自然と見えてきます。見られていないのか、興味を持たれていないのか、それとも導線が弱いのか。闇雲に投稿を増やしたり、流行りに寄せたりする前に、どこで止まっているかを確認するだけで、やることはかなり絞れます。
SNSの数字は、良し悪しを決めるためのものではなく、会話を整理するためのものです。ここを履き違えなければ、運用はずっと楽になります。
飲食店SNSのKPI設計をどう考えるかはお店次第

ここまで読んでいただいて、もしかすると「結局、正解は一つじゃないんだな」と感じているかもしれません。その感覚で合っています。飲食店のSNS運用に、誰にでも当てはまる万能なKPIはありません。立地も、客層も、業態も、使われ方も違う以上、見るべき数字が少しずつズレるのは当然です。
大事なのは、「この数字が伸びたら何が起きたと言えるのか」を、自分たちの言葉で説明できることです。フォロワーが増えたから成功、再生数が回ったからOK、ではなく、その先にどんな行動が生まれているのか。そこを整理できていれば、SNSはちゃんと“使えている状態”になります。
逆に言えば、数字の意味を説明できないまま追い続けると、SNSはしんどい仕事になります。頑張っているのに評価されない。成果があるのかないのか分からない。そんな状態が続くなら、一度立ち止まってKPIの置き方を見直したほうがいいです。投稿を増やす前に、バズを狙う前に、です。
この考え方を取り入れるかどうかは、もちろんお店次第です。SNSを「とりあえずやるもの」として続けるのも一つですし、「ちゃんと判断できるツール」として使うのも一つ。ただ、後者を選んだほうが、少なくとも無駄な消耗は減ります。
SNSは魔法でも、敵でもありません。正しく期待して、正しく評価すれば、ちゃんと味方になります。この記事が、その整理をするきっかけになれば嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!!
この記事では、飲食店のInstagram運用で成果が分からなくなりやすい理由と、KPIをどう考え直せば判断できる状態になるのかを整理してきました。
もし今、
「考え方は理解できたけど、自分の店に当てはめると少し難しい」
「数字をどう整理すればいいか、まだモヤっとしている」
そんな感覚が残っているなら、補足資料としてこの先の内容を用意しています。
この先の有料エリアでは、
・1店舗アカウントの場合のKPI設計例
・多店舗アカウントの場合の考え方
・数字が止まったときの判断ポイント
を、そのまま使えるPDF資料としてまとめています。
ノウハウ集や投稿事例集ではありません。
SNS運用を「感覚」ではなく「判断できる状態」にするための整理資料です。
必要な方だけ、参考としてご覧ください。
