【なぜ飲食店のSNS集客はうまくいかないのか?】9割が失敗する陥りやすい5つの理由

飲食店のSNS集客、正直どうでしょうか。

毎日投稿している、リールも作っている、たまにバズったこともある。でも、来店は増えていない。これ、かなり多いパターンです。というか、ほとんどの店がここで止まります。わかります。それ、めちゃくちゃやりがちです。

SNSを開くと「飲食店はSNSで集客できる」「InstagramやTikTokで売上アップ」みたいな情報が山ほど流れてきます。確かに、SNSでうまくいっている飲食店は存在します。でも現実には、SNSを頑張っているはずの多くの飲食店が「思ったほど集客できていない」という状態に陥っています。

ここで先に言っておきますが、SNSが悪いわけではありません。あなたの努力が足りないわけでもありません。問題はもっとシンプルで、少しだけ残酷です。それは「やり方」ではなく「考え方」がズレたまま運用していることです。

バズればお客さんが増えると思っていませんか。フォロワーが増えれば売上が上がると信じていませんか。SNSを「投稿を頑張る作業」だと捉えていませんか。どれか一つでも当てはまるなら、正直かなり危険信号です。ちなみにこれ、全部僕自身が過去にやってきた失敗でもあります。

だからこの記事では、偉そうに正解を押し付けるつもりはありません。むしろ「ああ、それ俺もやったな…」という話をしながら、なぜ飲食店のSNS集客は9割が失敗してしまうのか、その本当の理由を整理していきます。テクニックや小手先のノウハウはほとんど出てきませんが、「SNSってそういうことか」と腑に落ちるはずです。

もし今、SNSをなんとなく続けていて、正直よく分からなくなっているなら、この先は読んで損しません。ではまず、多くの飲食店が最初にハマる、致命的な勘違いからいきましょう。

目次

失敗理由① バズればお客さんが増えると思っている

飲食店のSNS集客がうまくいかない一番の理由、正直これです。「バズれば来店が増える」と思っていること。これ、誰もが一度は信じます。というか、信じたくなります。再生数が何万、何十万と伸びたら、「これは来るでしょ!」って期待しますよね。わかります。僕も同じでした。

でも現実はかなり冷酷です。動画がバズっても、店は意外と暇なまま。フォロワーが増えても、予約は鳴らない。なぜかというと、SNSで“見ている人”と、実際に“店に来る人”は、ほぼ別物だからです。これ、感覚的に理解していないと一生ハマります。

SNSは全国、場合によっては世界中に届きます。でも飲食店は、基本的に来られる人が限られています。距離、時間、価格、シーン。その制約を無視して再生数だけを追ってしまうと、「たくさん見られているのに、誰も来ない」という一番しんどい状態になります。数字は伸びているのに、現場は静か。このギャップ、精神的にかなり削られます。

しかも厄介なのが、バズは再現しにくいという点です。たまたま伸びた一本を基準にしてしまうと、「次も同じようにいけるはず」と期待してしまう。でも、アルゴリズムも流行も毎月変わる。結果、同じことをやっても伸びない。そこでまた焦って、より強い表現、より派手な演出に走る。気づいたら、お店の本来の魅力とは関係ないSNSアカウントが出来上がっていた、なんてことも珍しくありません。

ここで一度、はっきり言います。バズは集客のゴールではありません。
バズは、うまく使えば「知ってもらうきっかけ」にはなります。でも、来店につなげる設計がなければ、ただの数字遊びで終わります。再生数が伸びたことと、売上が上がることは、イコールではありません。

僕自身も、バズを追いかけて遠回りしました。「次はもっと伸ばそう」「この路線でいこう」とやっているうちに、肝心の「誰に来てほしい店なのか」がどんどん曖昧になっていったんです。今振り返ると、あれは集客ではなく、SNSごっこでした。

じゃあ、バズは全部無意味なのか?というと、そうではありません。問題はバズそのものではなく、バズの先に何も用意していないことです。来店につながる理由、行きたいタイミング、選ばれる背景。これが設計されていない状態で、どれだけ再生数を積み上げても、集客は安定しません。

まずはここで一つ、考え方を切り替える必要があります。SNSは「当てるもの」ではなく、「来店までの流れを作るもの」。この前提がない限り、どれだけ頑張っても、同じところをぐるぐる回ることになります。

失敗理由② SNSを「投稿作業」だと思っている

次に多い失敗がこれです。SNSを「とにかく投稿する作業」だと思っていること。これも本当によく見ます。「週に3回は投稿しよう」「毎日ストーリーズ上げよう」「止まるよりマシだから何か出そう」。気持ちは分かります。何もしないより、やったほうが良さそうですもんね。

でも、ここで一度冷静になってほしいんです。SNSって、本来“作業”でしょうか?投稿回数をこなすこと自体が、集客に直結するわけではありません。むしろ目的を失った投稿は、積み上がるどころか、どんどん意味を失っていきます。

現場でよく見るのが、こんな状態です。忙しい営業の合間に写真を撮る。今日はネタがないから、とりあえず料理の写真を上げる。何を書くか迷って、無難なキャプションで終わる。で、「今日も投稿できた!」とちょっと安心する。でも正直、それを見て「今日行こう」と思う人は、ほとんどいません。

なぜかというと、その投稿が「誰に向けて」「どんな理由で来てほしいのか」を何も語っていないからです。投稿はしている。でも、メッセージがない。結果、アカウント全体を見ても、「で、この店はどんな時に行けばいいの?」が分からない状態になります。これ、集客としてはかなり致命的です。

さらに厄介なのが、投稿作業化すると改善が止まることです。反応が良かった理由も、悪かった理由も振り返らない。「今日は伸びなかったな」で終わって、次の日も同じことを繰り返す。気づけばSNSが“消耗するルーティン”になり、だんだん触るのがしんどくなってきます。ここまで来ると、もう黄色信号です。

僕自身も、昔は完全にこの沼にハマっていました。投稿しないと不安になる。でも、投稿しても手応えはない。結果、「SNSってこんなもんか」と諦めかける。今思えば、それはSNSが悪かったわけじゃなく、設計なしで作業だけを積み上げていただけでした。

はっきり言います。SNSは作業ではありません。設計です。
誰に、いつ、どんなシーンで来てほしいのか。その答えが先にあって、初めて「じゃあ今日は何を投稿するか」が決まります。この順番を間違えると、どれだけ頑張っても、投稿はただ流れていくだけです。

失敗理由③ SNSをスタッフ任せにしている

これもかなり多いです。SNSを「現場の誰か」に任せてしまうパターン。「若いスタッフの方がSNS詳しそう」「バイトの子がInstagramよく使ってるから」「自分は忙しいし、任せたほうが回る」。気持ちはすごく分かります。現場は本当に忙しいですし、SNSまで手が回らないのが普通です。

ただ、ここは少しだけ厳しいことを言います。SNSをスタッフ任せにした時点で、集客としてはほぼ失敗確定です。これはスタッフの能力の問題ではありません。構造の問題です。

スタッフさんが悪いわけではないんです。むしろ真面目にやろうとしてくれます。ただ、スタッフさんは「経営目線」を持っていません。どの時間帯を強化したいのか、どの客層を増やしたいのか、原価や回転率をどう考えているのか。そこまで共有されていない状態で投稿しても、どうしても内容は“日常の切り取り”になります。

結果どうなるかというと、投稿は悪くない。でも集客にはならない。店の裏側やまかない、仲の良さは伝わるけど、「行く理由」は弱い。フォロワーは増えることもありますが、売上や来店とはつながらない。このズレ、かなりの確率で起きます。

さらに怖いのが、スタッフが入れ替わった瞬間に運用が止まることです。「あの子辞めちゃって、誰も分からなくなりました」。これ、本当によく聞きます。SNSが個人依存になっていると、引き継ぎも改善もできません。気づいたら、アカウントだけが置物になっていた、なんてことも珍しくないです。

僕自身も、昔は「任せたほうがうまくいくかも」と思っていました。でも実際は、方向性がブレて、改善できず、最終的に全部止まりました。SNSって、自由にやらせるほど良くなるものじゃありません。むしろ逆です。

SNSは、現場の延長ではなく、経営の一部です。誰に来てほしいのか、どんな価値を伝えたいのか。その軸がないまま任せてしまうと、どれだけ頑張っても「いい感じの投稿」で終わります。それは集客ではなく、雰囲気づくりです。

ここまでで、「バズ幻想」「投稿作業化」「スタッフ任せ」という3つの失敗が見えてきたと思います。次は、これらすべての根っこにある、もっと本質的なズレについて話します。ここが分かると、SNSの見え方が一気に変わります。

失敗理由④ アルゴリズムを追いかけすぎている

ここまで来ると、だんだん核心に近づきます。飲食店のSNS集客がうまくいかない理由として、かなり多いのがこれです。アルゴリズムを信じすぎていること。「今はリールが伸びる」「この音源がいい」「◯秒以内が正解」「トレンドはこれ」。情報、めちゃくちゃ出てきますよね。正直、見ているだけで疲れます。

で、真面目な人ほど、それを全部やろうとします。言われた通りに動画を作り、構成を真似して、投稿時間も合わせる。「これで伸びなかったらもう無理だ…」みたいな顔で、次の投稿を出す。でも、思ったほど伸びない。もしくは、ちょっと伸びたけど来店は増えない。ここでまた迷子になります。

はっきり言います。アルゴリズムを追いかけるだけでは、飲食店の集客は安定しません。
なぜなら、アルゴリズムは「見られるための仕組み」であって、「来店させるための仕組み」ではないからです。再生数が伸びる構成と、店に行きたくなる理由は、必ずしも一致しません。

アルゴリズムを優先しすぎると、投稿はどんどん“無個性”になります。どの店も同じ構成、同じテンポ、同じようなテロップ。見た瞬間「あ、またこの感じね」と思われたら終わりです。流れては消える。記憶にも残らない。これ、集客としてはかなり致命的です。

僕も一時期、完全にアルゴリズム信者でした。伸びている動画を研究して、構成を分解して、完コピに近いことをやっていました。数字は一瞬伸びました。でも、その時ふと気づいたんです。「これ、うちの店じゃなくてもよくない?」って。そこでやっと、方向がズレていたことに気づきました。

アルゴリズムは、使うものであって、従うものではありません。大事なのは、「誰に」「どんな理由で」「いつ来てほしいか」。この設計が先にあって、その上でアルゴリズムに“乗せる”だけ。順番を間違えると、数字は動いても、現場は何も変わりません。

失敗理由⑤ そもそも「誰に来てほしいか」を決めていない

これが最後で、そして一番根が深い失敗です。多くの飲食店がSNSを始めるとき、実はここをほとんど考えていません。「とりあえず多くの人に知ってもらいたい」「幅広く来てほしい」。この気持ち、めちゃくちゃ分かります。でも正直に言うと、この考え方のままSNSをやると、ほぼ確実に迷子になります。

SNS上で「誰にでも刺さる投稿」は、現実には存在しません。結果的にどうなるかというと、当たり障りのない内容ばかりが並びます。料理も出す、内観も出す、スタッフも出す、キャンペーンも出す。でも、それを見た人が「じゃあ今日行こう」と思う理由が弱い。悪くはないけど、決め手がない。これ、めちゃくちゃ多い状態です。

飲食店の集客で本当に大事なのは、「全員に好かれること」ではありません。「この店、今の自分にちょうどいい」と思ってもらうことです。仕事帰りなのか、デートなのか、家族連れなのか、ひとり飯なのか。そのシーンが見えない投稿は、どれだけ頑張っても行動につながりません。

僕自身も昔は、「フォロワーは多い方が正義」「間口は広い方がいい」と思っていました。でも実際は、誰に来てほしいかを決めた瞬間から、投稿の内容が一気に変わりました。何を撮るか、何を書かないか、どの時間帯を見せるか。全部が整理される。結果として、フォロワー数よりも「ちゃんと来てほしい人」が増えたんです。

ここまで読んで、「あ、これ全部つながってるな」と思った方も多いはずです。バズを追い、投稿作業に追われ、スタッフ任せになり、アルゴリズムに振り回される。その根っこにあるのが、「誰に来てほしいか」を決めていないこと。この一点です。

SNSは魔法ではありません。でも、正しく設計すれば、ちゃんと集客の武器になります。大事なのは、テクニックよりも順番。まず決めるべきは、フォロワー数でも再生数でもありません。「どんな人に、どんなタイミングで、この店を選んでほしいか」。ここが決まった瞬間、SNSの見え方はガラッと変わります。

ここまで読んで、まだ「じゃあ自分の店はどうすればいいんだろう」と思っているなら、それはすごく健全です。答えは一つではありませんし、無理に今すぐ変える必要もありません。ただ、SNSを「なんとなく続ける」フェーズから、「考えて使う」フェーズに移るかどうか。その選択だけは、そろそろしてもいい頃かもしれません。

これが、なぜ飲食店のSNS集客は9割が失敗するのかという話の、僕なりの結論です。

まとめ|SNS集客は、才能でもセンスでもない

ここまで読んで、「あ、これ全部つながってたんだな」と感じた方も多いと思います。バズを追い、投稿に追われ、スタッフ任せになり、アルゴリズムに振り回される。そのどれもが、特別な失敗ではありません。むしろ、真面目にSNSと向き合っている飲食店ほど、通ってしまう道です。

大事なのは、SNSが向いていないのではなく、使い方の順番を間違えていただけということ。SNSは投稿を頑張る場所ではありません。フォロワーを増やす競争の場でもありません。本来は、「誰に、どんな理由で来てほしいか」を伝えるためのツールです。その設計がないまま続けてしまうと、どれだけ努力しても手応えが残りません。

逆に言えば、考え方さえ切り替えれば、SNSはちゃんと味方になります。バズを否定する必要もありませんし、アルゴリズムを無視する必要もありません。ただ、数字を追う前に、来店までの流れを描く。それだけで、SNSの役割は大きく変わります。

今すぐ何かを変えなくても大丈夫です。ただ一つ、「このままなんとなく続けるか」「一度ちゃんと考えて使うか」。その選択をするタイミングには、そろそろ来ているかもしれません。SNS集客に正解はありませんが、遠回りしない考え方は確実にあります。

この記事が、あなたのお店のSNSを見直すきっかけになったなら、それで十分です。続きが気になるなら、またどこかで、もう少し深い話をしましょう!

それではまた次の記事で!

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